このおもちゃ、デビル君。
杏の毛とよだれにまみれているが、三太のおもちゃだ。

見よ、杏のこの顔。
狂ったように、噛んでいる。
噛むと「キュー」っと音が出る。

机の下から顔をだして自慢げだ。

杏がこのおもちゃに固執するのは、
どうも三太への当てつけらしい。
囲い手!

三太が狙っているから、尚更離そうとしない。
これ見よがしに、アニアニする。

一瞬の隙を突いて、三太が奪う。
杏、呆然と見送った。

が、数分後、杏が取り返した。
またも自慢げに誇示している。